限界分譲地に作る二拠点・災害避難基地

平時は癒しの二拠点生活を、有事は災害避難基地に

電気の確保⑥ システム電圧とケーブル(電線)太さ

システム電圧を何ボルトにするか

 

 能率、取り回しのしやすさから言ったらケーブルの太さは少しでも細いほうが勝るので12Vより24Vの方がベターなのは言うをまたない。

欧米の自動車では48Vシステムがかなり出てきているほどだ。

 しかし既存持ち合わせ機材の有効活用、福島原発で見られたような超絶危機時に付近の車からバッテリーを取り外して使おうとする場合は圧倒的多数の12v用機材を使える方が得策だ。

というわけで12Vシステムを運用することにした。といっても昨今のコントローラーは対応電圧がかなり広範囲に及んでいるので、結局はインバーターを何ボルト対応のものにするかということになる。

 バッテリーは直列、並列の組み合わせで柔軟に対応できる。

 

12Vシステムで例えばAC1000Wの電気器具を使う場合、かなりの高電流が流れるのでケーブルもそれへの対応を考える必要がある。容量不足だとケーブルは熱くなり最悪発火する。次にケーブル比較写真をあげておく。

 

1500w迄の機材を前提とする以上14スケでは足りない。

というわけで22スケ(SQ)を標準とした。溶接用のWCT規格がちょっとしたホームセンターには置いてあるし、価格もリーズナブルだ。

液式鉛バッテリにつかってバッテリー液がかかっても損傷がないなどお勧めできる。

38ミリは太すぎ、取り回しが困難となる。

 

電気の確保⑤ コントローラとインバータ v2

コントローラー、インバーターについては価格が圧倒的に安い中国製で揃えてみた(当初)。

 

両者ともネットを検索するととても多く出てくる商品だ。

コントローラ(充放電制御器)について

 安価かつ低容量(30Aレベル)のものだったが、こちらについては太い電線が差し込めないほか特に問題はなかった。

しかし機体表面にブランド名は一切表示されずネットで各社から自社のものとして販売されている。まことに中国らしい。

 

 

 

インバーー(直流→交流変換器)について 

リョクエンのこのインバーターは背面(本体上面)に電圧表示が出るし、AC電源SW、ACプラグソケットがあるなど壁に固定して使用するとき、とても便利にできているので選んだ。

 

 定格はこれまでの使用で経験しているAC出力1500Wまでの機器を使えるものとした。

過度に定格出力の大きいものを選んでは無負荷時での消費電力が大きく不経済なので

2000Wのものを選ぶ気にはなれない。

 

 で、どうだったかというと写真の標準的なマキタの丸鋸が満足に始動できないという困った状況だった。

 

 かって、コンパクトデジカメのリチウムイオン電池に中国製のものを安さにひかれて購入したことがあるが純正品の数分の一しか撮れず、がっかりした時と同じことになってしまった。

 ネットの評判など要注意。小遣い欲しさの案件ばやりのユーチューブはあてにならない。

 電動工具の使用目的でリョクエンを購入するなら2000Wクラスにしないと使い物にならないようだ。

 

やむを得ず日本ブランドに変更。当初のボックス仕様計画が狂ってしまったがやむを得ない。

  

 

スパッとモーターを使用する電動工具1KWクラスのものが始動する。

 (未来舎、1500W,正弦波)

 

 

 

 

 

未来舎(パワータイト)の最新の1500W器 FI-SQ1503について仕様は
 連続出力 1500W

 出力尖頭値 2650Wとある。

差異はここら辺にあるのだろう。とにかく取扱説明書からして雲泥の差。日本ブランドをお勧めする。

電気の確保 ④ 防湿型管理ボックスの必要性

準拠するのはこういうシステム

 

運用が短時間、一過性の緊急使用的なものなら次のようなプラスチックケースに入れておけばいいだろう。

         

 

 しかし、それが長期、場合によっては年を超えるような場合は事情を異にする。

二拠点生活で使うなら当然長期使用型となる。

いちいち箱を開け閉めするのは面倒だし、電圧等監視するには不適だ。

また、ケーブルを足に引っ掛けたり、湿度100%になるテント内では精密機器の電子

基板が錆びたり接触不良を起こすのは目に見えている。

 防湿型の配電・管理ボックスをつくってそこにコントローラー(充放電制御器)やイン

バーターを設置し、壁掛け状態で操作・監視できるのがベター。

そこでそのため、以下のようにすることにした。

1 テント内側に横向きに桟木を渡し(上下2本)

2 桟木に構造合板(サブロク板)を張り

3 2の合板を裏板とする箱をつくり

4 その中にコントローラー、インバーター、端子台等を入れる。

 

以下写真参照

 

 このテント、他社のテントには無い多くの長所を持つが足回りにフレームとなる横向きパイプがないのは残念(製作年で仕様は異なるようだが)。

そこで、下部横方向に桟木を渡す。

最低上下二本の桟木を渡せばそこに合板を張れる。

構造合板を張れば耐震対策の筋交いになる。

テント内側すべてに張ればテント内にもう一つ木張りの壁を持つ小屋を作るようで面白い。

 

 

 

         

 なお側板は無塗装としている。厚めの板による自然吸・放湿効果を損なわないため。

 乾燥剤が無くなることもあろう。

 扉表面はポリカを使用。

 

                 

 

扉隙間からの湿気侵入を避けるため扉と箱躯体間には隙間テープを張り、おさえる感じで閉めるようにしている。

電気を作る ③ 全体の構成と少しの歴史

 前回はテント生活に特有の架台づくりに触れたが、ここで全体の構成を述べたい。

 

当方、太陽光発電は一部の物好きの趣味、道楽、とみられていた時から行っているので結構長い。少し歴史を。

当初、まともに解説する本などなかった。

わずかに桜井薫氏の本がある程度。当方一生懸命に読んだ。

 

何しろコントローラー(充放電制御器)はアメリカ製品が載っていた。バッテリーももちろんリチウムイオン電池ではなく鉛電池。

初期のアマチュア無線機器が日本製ではなくアメリカ製品か自作を使っていたのに似ている。

 

次の角川浩氏の本で全体の構成が回路及び写真で説明され、ずっとわかりやすくなった。

 

その後インターネットに自作で電気を作るといった記事が出て来たが種本にしているケースも多かったようだ。

構成図は次の様。

当ブログの避難基地用太陽光発電システムは上の小規模の方のシステムに準拠している。

 なお、当初、日本のDIY太陽光発電で使われる太陽電池はほとんどが日本製だった。昭和シェルが多く、一部sharp製品が電菱から売られていた。50wクラスで5万円した記憶がある。

それが今やほとんどは中国製品。日本製もドイツ製も見受けない。価格も100Wで2万以下だろう。

電気の確保 ② 世の風潮、太陽電池架台製作

初めに

 ちょっとわき道にそれる?が太陽光発電に関する世の風潮について!

 いま、電気自動車(BEV)と太陽光発電について世論には逆風ともいえる兆候がみられるが、後者の太陽光発電について一言。

太陽光発電、特に大型発電施設は環境に悪い、再エネ賦課金が庶民を苦しめる、パネルの設置数増は中国資本・中国共産党を喜ばせるだけ、ということで特に保守層からの評判が悪い。

 しかし月面着陸したロケット、孤島の灯台のエネルギーは太陽光発電に頼るしかないわけですべてが「悪」というものではなかろう。当ブログで設置を考えるのは系統に接続して売買電するのではなく、生きるための最低限の規模のもの。

なお、外国の支配を受けない汎用的エネルギーというと太陽光発電しかないわけで、安全保障の点からも不可欠の要素であることは忘れるべきではなかろう。

 

太陽電池架台

 さて、太陽光発電をするには太陽電池パネルを載せる架台が必要となる。

薄い膜屋根にパネルを載せられない。どうする?

前述のとおり、雨水を集める集水架台を延長してそこに載せることにした。

雨水の集水だけなら垂木は3mで済むが太陽電池パネルを載せるので長くする必要がある。

 

ただ長くすればいいというものではない。雨水利用との兼用となるので途中で雨水を集め、横に流す樋の挿入・設置が必要となる。

途中、架台高さを2段にするしかないだろうと考えた。

この点が最も頭を悩ませた部分だ。悩んだ挙句次のようにして解決した。

雨どいを挿入するための段差の作出

 

3種の板の接合は上下からの長いビス止めと木板による裏打ちに拠った。
  

 

 

 

 

   雨どいはこういう感じで納める

  架台全体は長くなるので上・中・下3か所で支えることに。

 

雨どいの下に設置した100Wクラスパネルが2枚

右側の小さな太陽電池はDCファン専用(直結)

 

ネットをかけた集水屋根と太陽光発電パネル

 

 



 


   

 

 

水の確保⑫ 飲み水と塩素消毒

 ここで、少し照準を変えて水、特に飲料水に関して世の関心となっている飲み水と塩素消毒の関係について見ていきたいと思う。

A 塩素が入っているから安心、塩素が無くなっているから不安との言及が多いよう

 だ。特に災害の水備蓄に関して。

B 塩素が入っているから危険・不安という側面もある。

 発がん物質の発生に関連(後述)

C 塩素が入ってもその消毒効果がないという場面もあるようだ。

 クリプトスポリジウム症に関連(後述)

 

と、単純視はできない。

 

 

参考となる水、水質に関する本はとても多い。

水道、水処理に関するプロ、水質に関心を寄せるアマチュアが多いし当然の帰結かもしれない。

当方も次のような書籍(基礎的なもの)を参考・引用しており、感謝御礼申し上げたい。また、ユーチューブなどいくら見ても出てこず、改めて書籍等文字媒体の意義を認識するところだ。

参考資料 

 

消毒とは 

(前掲資料①)

消毒とは 病原性微生物を選択的に死滅させることをいう。

下水やし尿処理水中の病原性微生物大腸菌群数で代表され、公共用水域への排出基準としては、3000個/mL以下にすることが規定されている。このため、処理場の最終段階では消毒設備が設置されている。

 最も一般的な消毒剤は塩素であるが(他に紫外線やオゾンによるものがある)、消毒用塩素剤として最も用いられているのは次亜塩素酸ソーダである。

 同著(①)は次亜塩素溶液による消毒の特徴として次のように記述する。

    現場の安全管理 重要

    放流先の水生生物への影響 有 

 

水道法による規制

(前掲②)

蛇口での残留塩素が遊離塩素の場合、0.1mg/L以上

         結合塩素の場合、0.4mg/L以上

  日本で塩素消毒が行われたのは1920年代から。終戦後米国の指導で水道水に常時塩素注入することとなった。

 

問題点 消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム)とトリハロメタン

  消毒剤 が原水中の有機化合物と反応してトリハロメタン(注2)など発がん性の疑いのある有機化合物を生成する。   

         フミン質などの前駆物質(注1)

注1

フミン質とは 

植物などが微生物によって分解されるときの最終生成物で,難分解性の高分子化合物の総称である。腐植物質ともいう。

前駆物質とは

着目する生成物の前の段階にある一連の物質をさすが、一般には一つ前の段階の物質を指す。主要な生体物質の生合成過程について言うことが多い。

                                  (前掲①)

注2

トリハロメタンとは

メタンを構成する4個の原子のうち3個がハロゲン原子である塩素や臭素に置換した化合物のこと。

このうち、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモククロロメタン、ブロモホルムの4物質及び総トリハロメタンについて、水道法による水質基準定められている。

 

トリハロメタンを最初に発見したのは1972年オランダ水道局                             

ライン川の水からクロロホルムを測定し、その原因が河川水を塩素処理することによって生成することを究明した。

                               (前掲⓶)

 

問題点 寄生原虫クリプトスポリジウムには塩素など消毒剤が効かない

 病原性微生物の一つクリプトスポリジウムという小腸に寄生する原虫で起きる病気がクリプトスポリジウム症で激しい水様性の下痢と腹痛を起こす。乳幼児や高齢者では重篤化、長期化することがある。

この原虫による集団感染は1949年に神奈川県平塚市で461人、1996年に埼玉県越生町で8812人が発症している。

 

対策は「検査」と「ろ過(急速・緩速ろ過、膜ろ過)」があげられている。消毒とろ過が別なものであることを気づかせせてくれる。安易に薬に頼るなという素朴な発想は今でも有効に思う。

 

 

水の確保⑪ 貯水タンク(2) 開放型容器と蓋

庭に置いてあるバケツに降った雨を見ると、

うっとりするほどきれいだ。土壌に長年蓄積された肥料や薬品の溶け込みはないし。

 しかしそのまま放置すると藻で緑色になり、葉、昆虫類、土の混入などで汚れてくる。ボーフラも湧いてくるし、心理的にも蓋は必要。

 ではどうやって?

小さな面積なら覆うことも簡単だが、大きくなると難しくなる。

これまで蓋に使ったことのある部材はポリカ波板、同平板、木板、養生用プラダン、

NFボード、ゴムシートなどいろいろ。

なかなかこれで決まり、というものはなかった。

 波板は其の波状の隙間を封鎖するのが面倒、

 光を通すものは防藻の点で問題

 薄くたわむものはへこんでその上に水がたまらないよう補強材が必要だし

 板は絶えず水面に向かう内面が湿気でやられるし

 と。

 

 次の写真上はNFボード板(12ミリ厚)、下はプラダン(黒色5ミリ厚)を蓋にしたもの。

 


 蓋を取った状況

  

 素材を並べてみる。上右はまだ使っていないアルミ複合板。

こちらはビニルシート。安物は経年で柔軟性がなくなる。

浴槽の上に置いたNFボード

 

アルミ複合板は樹脂をアルミで挟んだもので、屋外広告版で使われる。3ミリ厚を入手したので今後使ってみるつもりだ。