限界分譲地に作る二拠点・災害避難基地

平時は癒しの二拠点生活を、有事は災害避難基地に

住まいの確保⑥ テント用コンクリート基礎石(沓石)の作り方

ポールをコンクリート基礎石の上に設置する狙い 

地震、強風による倒壊防止であるが、さらに

 ・他所(私の場合は本拠点=自宅】で作って現地に運べる形態・大きさである

 ・将来の移転撤去に対応できる

 ・上に設置する金属製ベース(=腐朽する)の更新に対応できる

ことを内容とした。

 

1 型枠としてボイド管を使用

口径は太いほど、長いほどよいに越したことはないが8本作る手間、手で車に積み込める重量を考えて径15㎝、長さは20~25センチとした。

もちろんこれで万全とは思わないが現地で埋め込む際に周囲を取り囲むようにコンク

リートを充てん・突き固めることで補充することを前提とした。

 

2 鉄筋としてのベース固定用ボルト

ベース3か所の孔に挿入するボルトは基礎石自体の鉄筋としても働いてもらう。径12mmのZボルトは頼もしい。

          

3 製作手順

ボイド管上部に薄いべニア板を載せ、そこにボルトを装着したベースを置くが隙間からコンクリートを流し込むので一定の隙間が必要となる。写真のように細い板を2枚にして何とかなった。

        

        

    

         

      

         

      

        

       長めのものも作った。計8本。

         

      

                

          

           

           


 なお、この作り方は単管ベースにも当然使える。

 単管ベースは中央底に歯止めがなく、またパイプをボルト止めする穴も開いていなかったと思う。これらの点でもこのブログで扱うテント(以下、C社テントと呼ぼう)は細かいところまで良く工夫されている良品に思う。    

           

    

 

住まいの確保⑤ 強靭化策の色々と私の方法

 テントを組み立て、ほとんど風対策をしていなかった人が、ある日、家に帰ったらテントが風で倒壊しポールは曲がり、幕は飛び散っていたと語るものがあった。

だと思う。巨大テントであり、それだけ風を受ける面積が多い。何しろ風だけでヨットは太平洋を横断できるのだ。

 2019年の房総半島を襲った台風は風速50mになりコンクリートの電柱、送電塔が倒壊している。石原裕次郎が歌う「風速40m」はそんなにレアではなく時折起きている。

 

1 製品取説は2種の対策を前提している。

 1) 地面に設置するケース

  *ポール基部を受けるベースプレート穴一個に短めの金属杭を1本通して(計8

   本】地面に打ち込む。これプラス

  *屋根の4コーナーと、別に埋めた金属杭4本とをロープで結ぶ。

 2) コンクリート上に設置するケース  

   ベースプレート穴の下に穴をあけ、そこにアンカーボルトを埋め込んで固定す

  る。

2 動画で見られるもの

  *ポールに沿わせて杭打ち用単管【1mくらいで先端がつぶされ閉じられているタ

  イプ)を地面に打ち込み両者を何らかの方法で緊縛する。これプラス

  *8本のポール自体に単管あるいは板材で筋交いを作ってクランプ留めする。

3 私の考えた方法【地面に設置】

   ベースプレートには3つの穴が開いているのでこのすべてを使って径12mmのZボ

  ルト留めする。

              

               

   径12mmのZボルトを固定するため現地で8個の型枠を作ってコンクリート製ベー

  スプレート受けを作るのは非能率だし精度が出にくいので自宅でじっくりボイド管

  を型枠にして丁度羽子板付き沓石になるようなものを作る。

                 これプラス

  8本のポール間に単管、板(間柱、角柱、構造合板)などを筋交いになるようボル

  止めするというもの。写真はボイド管とベースプレート

                    

ボイド管径は150mmが丁度良かった。

住まいの確保④ テントハウス用品 開封及び段取りを考える

 説明書には二人で取り扱うよう書いてあるが、車から引きずり下ろすことからすべて一人で行った。

75㎏の箱にはぎっしり物品が詰まっている。登山など携行するのではないから重いことはそれだけ丈夫ということでむしろ歓迎すべきと考える。

説明書は上質の紙に数か国語で多くの写真と共に書かれている。高評価。

 

    

      

        

次の写真は単管径48mmが入ることを示す。

         

工具を使わなくても組み立てられことを含め全体のノウハウは素晴らしい。

初めてエクセルを使った時の感慨に近い。これにかなう日本製はないのではなかろうか。

なお、動画を拝見してもわかるがパイプ口径、接続部品等、製作年で製品仕様に差異があるようだ。これは23年購入。日本人には単管部品が使えるこのタイプが好ましいはず。

 二人で行えば2時間で組み立可とある。

丁度ハワイマウイ島の山火事で救済にこのテントを使っている新聞記事を目にした。。大きくすぐに組み立てられるのは何かと効果的に思う。

 

 さて幸い首都圏では今現在、首都直下型地震は来ていない。組み立てるより前に構造強化の準備に入ることにした。

説明書にもこのテント、積雪、強風下では使えないのでその際は分解しておくようにとある。訴訟対策であろうが現実問題として強風が吹く度、積雪予報があるたびに分解保存するわけにはいかない。

 固定的に設置できるよう強靭化対策を講じながら設置することにした。

大きく分けて

1 風で飛ばされないよう骨組み、特に足回りの強化

2 雪や落下物で屋根が破られないようにする

というのがそれだ。

 以降、オリジナルな足回りの強化策から紹介させていただこう。

住まい確保③ どんなテントを選ぶか

2024.1.1の能登半島地震では避難場所として自動車(車中泊)と共に農業用ビニルハウスを選ぶ人が目立ちました。

かってはこれらを否定する人が多かったようですが、事実に押され

否定→黙認→留保付き承認に移りつつあるようです。私も感染症を考えるとき、さらに積極的利用に移行して差し支えないと考えます。

 

1.8読売新聞より

 

 この地震の1年以上前から、いや2011年東日本大震災時からビニルハウスの有効性に着目していました。

鴨長明ではありませんが高額のローンを組んで新築しても災害で灰塵と帰す状況を見るとき、そこに空しさを感じてしまうからです。

家族と住む居宅でそれは無理としても二拠点生活の場ならできるはずです。

 

ではどんなテントハウスを?

小ぶりな農業用ビニルハウスのパイプは直径19mmくらいが多くこれでは強風でぐにゃりと変形、転倒してしまうのが多いのでは?

そんな折、たまたまホームセンターで見たテント【二輪車庫用か?】

高さも1826mmあり、テント内で立っていられます。何よりパイプ径が34mmとかなり太く、此れなら事後的構造強化・居住性向上策も施し甲斐があります。

 

価格も2万を少し超えるぐらいで極めてリーズナブルです。

奥行きが2200mmで長尺もの、例えば二連梯子の収容ができないのが残念ですが購入することを考えました。

が、 購入直前にネットを見ていて、上より口径の太いパイプを使い、広さも横3m×縦6mと巨大なテントがあることを知りました。パイプ径は単管とほぼ同サイズ48mm、つまり単管の各種接続用品が使えることになります。

 動画にはこのテントを組立てて資材倉庫に、あるいは車庫に使っているものが多く放映されていますがなかなか評価も高いようです。

何より長さが6mもありこれなら長い材木も、一家の相当な家財道具も収容できます。価格も3万7千くらいと国産にない割安感があり、これに変更を決定。

 一般のホームセンターでは販売されていなく、アメリカ系の倉庫型大型店舗で会員になって【入会金は1年以内に解約払い戻しができる】購入することになります。

車で幕張へ。実物を見るとデカイ!重い!【75キロ】

一人ではとても運べない、と思ったら店舗の方で車への搬入迄手伝ってくれると知って一安心。

 

 

 

 

 

以降、このテントをベースに二拠点災害避難基地作りを行っていきます。

 

 

 

住まいの確保② 何でテント小屋にするのか

 普通家を建てるというと、いや、半分世捨て人の小屋暮らし用住まいづくりでも何らかのコンクリート系の基礎を設け、その上に木、鉄骨、単管パイプの柱やツーバイ材を建て,屋根をふくということになりますが本書はそうしません。

よくて建設現場などで見られる仮設プレハブハウスの据え置き(ユニック車によれば時間的には最短)、最も手軽なもので農業用ビニルハウスの組み立てを想定し、そのうち大型自動車用テントを活用し、順次強度・居住性を向上するという方法を選択することにしました。そのわけはつぎのとおりです。

 

 

 1 建設技術・建設工具費用の可及的回避、削減

小さな小屋を数棟作った経験から言うと小さくても小屋づくりは慣れない人にはそんなに簡単ではありません。一定の技術的知識・経験のほかに必要な電動工具、大工道具をそろえるにはそれなりの費用が掛かります。手動の大工道具のほか必要な電動道具を挙げると丸ノコ、(スライド丸鋸)、ジグソー、電動ドリルにインパクトドリルがあり、計7~10万は必要です。

電気が不通の場合は何らかの発電装置(太陽光発電、発電機)や蓄電地も必要になります。

 

2 時間短縮と経費削減

通常の家づくりは何より時間がかかります。建設現場に通えないならその期間、アパートを借りたり、現地にテントを張って生活することになります。専念しても数か月、長くなると数年かかってしまいます。災害避難の場合それはナンセンスということになります。

 

3 法令順守とトラブル回避の容易性 

また小屋暮らし希望の方が作る小屋は建築に関する法令を踏襲せず(要建築確認の点)、当局のお叱りを受け、撤去・建て替えを要することになる人もいるようです。

土地への定着性が希薄になるほど不動産としての性格は希薄となり法令の縛りも緩和されてきます。車輪のついたモバイルハウスやテント小屋はこの点で有利だし仮に問題が発生したならば分解・移設が簡単なことは論を待ちません。

トラブルは法規制だけではありません。退職金を費やしてこぎれいな平屋を建てたり古民家を購入して憧れの田舎暮らしを始めた還暦世代がご近所とうまくいかず、撤退するというケースもあるようです。その安くない投下資本はどぶに捨てることになってしまいます。

50万円の限界分譲地と数万円のテントハウスなら仮にそうなっても軽傷で済みます。

 

4 地震による圧死事故回避

  日本画東山魁夷は親しかった川端康成から“京都らしい町家の風景がどんどん失

 われている。今のうちにその風景を描いておくべき”と言われ、美しい日本瓦の民家

 を描いています。其れからずいぶん経ち、今、京都を見ても寺社を除いてそう言った

 風景はほとんど見られません。

  しかし元旦の能登半島地震でそのかっての京都のような美しい屋根の姿がこれほど

 多く残っていたことに、そしてそれが下の居住者にむごい結果をもたらしたことに愕

 然としました。                                

 山陽新聞より 1/5

       

 

1/8読売新聞より引用


                                                 

 

 

  ここまで来たらその屋根風景はむしろ避けるべきということになってしまうでしょ

 う。そして太い梁に価値を見出す古民家ブームも再検討すべきことになるでしょう。

 避難の人が逃げ込んだ農業用ビニールハウスは軽量です。ビニールを張った細いパイ

 プは曲がり、変形しても即、命を奪うことにはなりにくいものです。

 とにかく落下するような重量物は頭上におきたくないと考えます。

 

5 家を建てることのむなしさ-鴨長明の住居感-

  教科書に出てくる方丈記は冒頭部分があまりに目立っていますが、全体を眺めると

 災害にかかわるところ、住居へのこだわりとその自己の心情への嫌悪、これらを取り

 巻き、そこに流れる無常観といったものを感じます。

  考えてみれば牛に運ばせ、組み立てた方丈庵も昔のテント小屋です。

  

 

土地の確保⓾ 語り残したこと

<土地の確保>の項は今回、語り残したことを述べて一応の終わりとしたい。

 

1 値下げの要望と返事

 すぐにOKをもらえたわけではない。先方さんだって長年保持することに一定のコストをかけている。

 固定資産税が年で約1万円

 年二度の草刈り委託で1万数千円

 これを20年以上払い続けてきたのであり、いい加減な人には売りたくはないだろう。どういう目的で土地を使いたいのかを聞いてきた。

 目的を述べ、また、さらっとこちらの職業等を伝え、安心できる人物であることを印象付けるよう努力し、その結果しばらくして減額可の返事をもらえた。

 

2 後で知った調査費のこと

 このなかなか売れなかった物件に関し仲介さんは調査費として25万を徴収していたらしい。確かにそうでもしなければ低額物件など仲介する気にならないのかもしれない。

しかし販売価格に応じて仲介料は○○%と決められていることに触れはしないのだろうか。確かに重要事項説明書に一応の調査結果は書かれていたがそこまでのものかは疑問だ。

 結局売主は42万ー調査費25万ー成約手数料となり、さらに遠隔地からのお越しゆえの交通費もかなり掛かり、残る金額はわずかになってしまう。

このことを後で知って気の毒になってしまった。決済日に手土産を持って行ったのは初めてだ。

 

3 司法書士に依頼することについて

 単に無駄な経費とは思わない。地元で長年司法書士を続けているのなら当該土地及び仲介業者に関して一定の知識は持っているはずで一定のリスク防止にも資するのではと考えた。

書士はかっては代書屋というイメージが強かったが昨今の司法試験の緩和化で書士のステイタスは相対的に向上している。職業に対して持っているであろうプライドを援用したいと考えた。

 

 注)かって司法試験は受験者が3万人、合格者は400人台、合格率は2%ちょっと。東大法学部でも在学中に合格する【22歳未満】は十数名であった。今や【2023年】合格者1700人越え、お金をかけてロースクールを出ての合格率は60,70%とまるで運転免許並み。元芸能人やスポーツ選手の弁護士も目立ってきている。合格率なら書士試験の方がはるかに難しくなっているようだ。

 

4 決済後の談笑

 売主さんは最寄りの鉄道が複線化されるとのうわさもあって、投資目的で購入したらしい。自分で使うならともかく自宅も遠方に引越し、まったく不使用のまま長年たったとのこと。奥さんにも非難されてきたという。

 大幅な値下げになるが、長い長い夏休みの宿題をやっと終えたかのような気持ちらしい。心なしか晴れ晴れとした様子もうかがえた。

 

 

 

土地の確保⑨  内陸部について

改めて八街市南部、山武市西部、千葉市東端部における候補地の典型的風景を見てみよう。

海、川、山、丘はない。

海抜40mから50m

こんなに近いところにこんな風景があるとは全く知らなかった。

まるでウクライナ高原(行ったことはないが)、北海道富良野のようだ。

そこは一口で言えば内陸部。千葉県に住んでいて絶対的距離はそんなに遠くないのに何

十年間今日に至るまで一度も足を延ばしたことはなかった。

ほかの千葉に住む多くの人もそうだろう。

成田空港ができるまで広大な内陸部に関心を持ち、そこに行こうとする人はいなかっ

た。かろうじて成田山新勝寺があるがそこは利根川に近い北域と言えないこともない

し。

 

考えてみると内陸部が取り残されてきたのは今に始まったことではない。

多くの地域で開発発展は海のそば、川のそばの高台から始まっている。貝塚も、上総の

国府も【市原市】、下総の国府も【市川市】そうだ。古墳もそうだ。菊間古墳群、国府

台・栗山の古墳、大田区田園調布の古墳群。

 

 

江戸川区から見る市川市国府台【下総国府域】

 

卑弥呼箸墓古墳より古い神門古墳(市原市)

 

多摩川台古墳群

 

水辺がそばにあれば貝や魚など食べ物が取れる、飲み水が得やすい、交通の便が良い、雰囲気が明るいなどその理由は容易にうかがえる。

いくら利用しやすい高台の平地が続いても水の確保が難しければ生物は住めない。井戸を掘る、雨水をためるなんてかなり高度なこと。

 

東京に近い都市でさえそう言える。

 今マスコミに出ることの多い東大先端研、小泉悠さんはマイナーな松戸市内の生育地のことを自虐的に語ることが結構あって面白い。東京の隣なのにどうしてと思えるが氏の生育地は松戸市の中でも自衛隊の基地があるなど私鉄に乗り換えてやっと到達できる奥地、へき地とも言えるところなのだ。私も一度も行ったことが無く、地図を見て、へーこんなところかと新鮮な気持ちになるほど。そういえば都立の八柱霊園も同市にある。

 

 東京23区ですらそうだ。かって住んでいたが練馬区は区全体が海無し内陸区域。交通の便も悪く東西には私鉄があるが南北間の異動はバスに頼るしかなく区内異動で1時間かかることもあった。

光が丘ニュータウンができた当初、地下鉄もなく駅まではバス便、周囲の民家はプロパンガス使用だった。

 

近時に至るまで内陸部奥地に多く見られものと言えば農地【電気による地下水のくみ上げ】、ゴミ最終処理地、外国系廃棄物ヤード、大小の霊園・墓地、ペット霊園、土木建設業者の材料保管地、企業の商品ストック・配送ヤード、老人施設等。

学校の郊外運動場、動植物園・自然公園がある場合を除いて一般の人の目に触れることはほとんどなかった。

 

世上、というか学問上は南北問題がいろいろ言われているが日本、特に都市近辺では川、海岸エリアと内陸部間の格差が酷いのにそれに気づいていなかった。

限界分譲地を考えることで内陸部問題に気が付くことになった。