限界分譲地に作る二拠点・災害避難基地

平時は癒しの二拠点生活を、有事は災害避難基地に

水の確保⑤ 雨水集水架台の製作(4) ―下部高さと面積、断熱材組み込み、落葉対策 -

 集水面は広いほど多くの雨水を集められるがそれだけ風圧を受け、それ自体が日照の阻害となり、工事も大変となるわけで無下に大きければいいというものでもない。

 最低部の地上高

 特に集水面最低部の地上高はあまり低くできない。下に貯水タンクを置くし、ポンプなし・位置エネルギーだけで水を取り出したい。とするとブロック2段の上に置いた貯水タンク下部蛇口からコックをひねるだけで水が下に置いたバケツの中に落ちるようにするため集水樋は最低でも70㎝高さは欲しい。

 

 

    

 

 断熱材

 作っている最中、最近の日本の夏は35~40度に達する亜熱帯状態になることが頭に浮かんだ。

波板のままだとその下には居られない。そこで貰い物の安価な発砲スチロール板があるのでこれを波板の下に敷くことにした。ただし、紫外線による劣化対策に水性塗料は塗っておいた。

 

 

 

結局、横幅は波板(60㎝)2.3枚程度、上下の長さは6尺(180㎝)が2枚弱

 

 

 落葉対策

郊外になるほど付近から飛んでくる落ち葉の量が半端ない。有機物はむろん排除したいが、落ち葉が水につかってにじみ出る色素はろ過による除去がきわめて困難なものとされる。

そこで集水面上にはネットを張ることにした。升目4mmのものを選んだが2mmでよかったかも。

ネットを張るとなると波板に付着して水の流れを阻害しないようネットとの間のスペース確保策が必要となる。

両脇に木板を張り、この上にネットを張ることにした。

板は塗料を使いたくないので杉をバーナーで焼いた。

また、途中垂れ下がらないようする必要があり、アルミアングルも数本渡すことになった。

 

 

 

少し工夫しようと思うと、そのたびに一定の付加工作が必要となってしまう。まさに「細部に○○が宿る」と言われるような側面が避けられなくなる。

 

 

 

水の確保④ 雨水集水架台の製作(3) 集水素材の選択と架台の構造

 集水面の材質

 チョーク現象による粉まじりの水、塗料やアスファルト成分が水に溶け込むものは避けたい。怪しげなものならむしろ江戸期の木製の方がましに思われる。

 写真は江戸期の上水道用具(東京都水水道歴史館)

 

錆びず、腐らずというとステンレスだろうが高価なこと、複数枚をどうやって水漏れなく連結するかが問題となる。

ステンレス板も用意はしたものの結局一般的なポリカーボネートの波板にした。縦、横とも接着剤無しで連結拡大できることのメリットは大きい。

 

 集水波板を支える構造

 上部は前回紹介したテント妻側上部の板部分にネジ止めしたT字足〈配管用品〉で受ける。

 

中央部分は古いベッドの頭部分を加工して高くしたもので受け

 

低部はアルミアングルの端材で作った基礎で受けることにした。

 

 

 

3か所で支えるというのは贅沢というか面倒にも見えるが架台を長くすることで雨水集水のほか後で述べる太陽電池パネルを載せる架台にもしようと考えたためである。

テント自体の補強にもなる一石三鳥効果を意図している。

 

 

 

 

水の確保③ 雨水集水架台の製作(2)とテント妻側の改造(2)

 何で集水架台の接続・換気扇取り付け場所を切妻側にするのか

・切妻側=短手側は一番高い位置に達している平面である

・もともと、テント幕は切妻側だけを外せるので改造工作しやすい

といったことが理由です。

 

 

シートをはがして上下に2本の桟木(赤松、24×48×3m @514)を渡したところ

上部の金属パイプに囲まれた三角形に合わせて板を張ることになる。

先ずは、手持ちの端材(合板)を頂部に合わせてカットして固定。

 

 

足りない部分は貫板を1枚、2枚と張っていく。


三角形の板張り部分に重複する妻側シートは室内側に折り曲げ、その上に一部が重なるように貫板でおさえる。

 

内側から見るとこうなる。

なお、妻側の梁というには赤松桟木はあまりに脆弱なので中央縦にも本の桟木を建てた。

 

水の確保② - 雨水集水架台の製作(1)とテント妻側の改造(1) -

 13年目となる3・11に関連してのことでしょうがきわめて公共性に富む全面広告が目を引きました(日本財団)。

 

 

 大規模深刻災害や戦争状態では「水も電気も無い」と叫ばれる事態に陥ることが珍しくありませんが、その中でも水の枯渇は影響がトップクラスに大きいものとなります。

歯磨き、洗面、入浴といった余裕の上に存するものは別にして、調理、飲用となると水の必要性は不可欠ともいえるものになります。洗濯や水洗トイレでの水使用はその中間的なものといえるでしょうか。

水の確保①で述べたように給水所に行ってももらえなくなる、そばに沢、川、井戸もないという最悪状況が続いていることを念頭に雨水利用で備えることにします。

 

集水方法

 一番ポピュラーなのは家屋屋根に降った雨を屋根末端の雨どいで受け何らかの貯水容器に導くことです。しかし本ブログで展開するテント小屋屋根はぺナペナのビニール系膜であり、構造的にも樋を付けられるものではありません。

 また、かなり長いこと雨水利用を行っている私として痛感しているのはそもそも一般家屋の屋根材もその材質及びなされている塗装は多くが環境的に口に入れるものには向いていないということです。

 そこで別途独立した片流れ集水架台を作製して高所部分はテント妻側上部に接続し、低所箇所は新たに地面に設置する2脚の架台用基礎に載せ、架台全体がテントの補強にもなるよう一石二鳥の効果をも狙うことにしました。

 

しかし前述のとおりテント表面は全体がペナペナの布地であり、このままでは架台上部を接続できる場所はありません。また暑さと共に必要性が増してくる換気扇を取り付ける場所にも困ります。

そこで片方の妻側上部を布から板張りに変更するという大胆な改造を行うことにしました。おそらく世界初だと思いますが参考になれば幸いです。

 

(以下、建築用語辞典から一部引用)

「妻側」とは、屋根を見たときに、屋根勾配を横から見て三角になっている部分のこと。横から見たときに棟に対して直角に接している。妻側に対して、並行になっている部分は平側と呼ぶ。妻側に渡されている梁は妻梁と呼び、壁のことは妻壁と呼んで区別しているが、これだけでどの方向にある梁なのか壁なのかが分かる。もともと日本建築では、長手方向を正面とすることが多かった。そこで、短手方向のことを、区別するためにも端を意味する妻の側と呼んでいたことがつながっている。

住まいの確保⑨ テント組立て終了と短評

 3月1日は大谷選手の結婚発表と房総半島東方沖を震源とする地震が話題となった。

前者はおめでたい話であるが地震の方はその後も今に至るまで続いていて楽しくない話だ。

能登半島地震の復旧がまだこれからというのに。

千葉県では一部で食料のストック買い、大網白里市での避難訓練が話題となっている。

今日は東日本大震災から13年。

災害避難基地作りもピッチを上げよう。

 

 テントの方は補強としての15ミリ厚貫板を並べ、その上にシートをかけて一応の使用可能状態となったのでその外観をお示ししよう。

  

    

 

 


 



   

        

 

さらなる本格的構造補強、内部の快適化はまだであるがここで一応の使用感を述べたい。

1<雨について>

 今、動画ではなぜか急な雨に降られて慌ててキャンピングカーに逃げ込んで窓を閉めホッとするもの

山中で強い雨に降られたハイカーがタープ、テントを張って逃げ込むもの

とうのがやたらに目立つ。

過酷な環境の中でも自己の安住できる狭小空間確保できる幸せ❣を言いたいのであろうか。

 

それはさておき、組み立て後何度も雨は降っているがその防雨能力は?

キャンプ用のテントのように其の上にタープを張ることが無いので少々心配であったがそれは無用だった。固定テント故か、厚みと表面コーティングを十分なものにしてあるのであろう。

 

2、開閉部分

本来は車庫であり、前後の幕とも開閉でき、ハイエースクラスがどちらからでも入れる。

片方に防虫網付き窓が2か所(120㎝角と大きい)、他方にはその網付き窓が2か所と中央に幕を持ち上げ(固定もできる)出入り口にできる箇所が1か所ある。

 

この出入り口は便利だ。この下にチェアを置いてゆっくりできる。

 

3 室内明るさ、夏季の暑さ等

窓、幕を下ろせばテント内は暗くなり、夜間は照明が不可欠。昼間は布地越しに光を通すが。

幕を下ろした夏のテント内は当然ながらとても暑い。だからこそ大きな窓が計4か所もついている。

夏季はテントキャンプ、車中泊同様対策が不可欠となる。

 

(別途後日に予定する内容)

テント生地下端と地表間の風入り込み防止策、屋根内側の断熱(夏の暑さ対策)、床面の簡易な三和土(たたき)風土間化,棚の設置、タープ相当を重ねることによる二重屋根化によるテント生地の保護ほか

住まいの確保⑧ 屋根の補強方法を考える

    

 さて3ブロックとも基礎石にセットし、縦柱部分に仮の補強を施したとすると次は屋根部分の補強に取り掛かることになる。

縦の壁相当箇所はいつでも事後的に増設、変更ができ、さほどの困難性はないが、屋根部分はなるべく早く補強策を講じて屋根シートをかけ、雨濡れを避ける必要があるのでゆっくりはできない。

 どうしたものか。

教科書となる資料や動画は全くないので無い知恵を絞るしかない。

先ずは屋根部分の口径を見ることに。

すべて単管サイズAというのではない。写真のとおり3種となる。

Aは単管口径、CはAとBをつなぐ4孔の接続部品である。

 ここで留意が必要と気付いたのが屋根シートはぴったりとかぶせることによって壁に掛けるシートとうまく連携して雨水の侵入を防ぐようになっているので、補強材でその関係を阻害してはならないということだ。

 この点から厚みのある金属部品 ―例えば単管用のクランプ類ー は使わないこととなった。

結局、柔軟な使用方法を可能としてくれる板材を使用することにした。

 

       

    

      左右の面が持ち上がらないようにする方法としては次のように

      

     

    

 途中から変更。こちらの方が間に配線を通したり、天井相当を張りやすいなどメリットが多いので。

     

 上面トップには屋根シートが板との摩擦で傷まないよう緩衝材を張った。

下から見るとこうなる。

 

屋根下端はこうした。ここも擦れるので上に緩衝材を挿入しておく。

 結局1ブロック2m内両脇に3枚の板(厚さ15ミリの貫板使用。12mmは弱いと思う。)を張った。

これである程度の積雪には耐えられよう。

住まいの確保⑦v2 テントの組み立て、加工手順、単管用品の使用

取説では組み立てに最低人員二人とし、

 屋根フレームの組み立て(パイプ17本)

   ⇓

 片側にポール(縦の柱として4本のパイプ)を差し込み

   ⇓

 屋根幕をかけ

   ⇓

反対側にポール(縦の柱として4本のパイプ)を差し込んで立てる

という段取り

 

私の組み立と加工手順はこう

すべて人間一人で対応

 (屋根トップに届く脚立は不可欠。出来れば2脚は欲しい。)

コンクリート基礎石の製作(8本)→現地に運搬、設置

   ⇓

(全体の骨格を3分割するように2mずつ組み立てることにし、)

   ⇓

1/3=2m部分の屋根フレームにポールを差し込み、設置した基礎石の脇に  

立てる

   ⇓

その1/3=2m部分を片側ずつ持ち上げるようにして基礎石の上に載せる

   ⇓

以後2/3部分,3/3部分を組み立てる

 

*中央部分のポールや屋根フレーム一部は隣の部分のものになるので実際は

手前→最奥部分→中央部分の順序となる。

 

   ⇓

各部ごとに組み立が終わったらとりあえずの強風対策として支柱やカスガイを添わせる

   ⇓

以後、屋根フレームの強化加工策に取り掛かる。

 

 

 水平や距離間は3mのLチャンネルや巻き尺で簡易化

基礎石の脇に2m×3mの骨組みを建てる。

これを持ち上げ、ずらして基礎石の上にセット。パイプと接続具の間に隙間(遊び)

のあることの有意性を理解。

 

 

 

次は一つ先のブロックを組み立ててから隣のブロックに取り掛かる=横向きのパイプ。

規模の割にパイプ数が少ないと実感。相当の補強が必要となることを覚悟する。

縦のポール径はほぼ単管と同サイズであり単管用の接続部品を使えるのは非常に大きなメリット。

水平、斜めに瞬時に単管を装着でき(A,B)、垂木用のクランプを使えば板材もビス止めができる(C)。